今さら聞けない?補中益気湯(ほちゅうえっきとう)とは? (長引く胃腸不調)
今さら聞けない?補中益気湯(ほちゅうえっきとう)のこと。
最近になって、注目度の高まっている漢方薬。その中でも、補中益気湯に注目が高まっています。なぜ、この漢方薬に注目が集まるのか?使用目的や効果は?
今さら聞けない補中益気湯について、まとめてみました。
〇漢方医学での病気の捉え方
まず、漢方での病気とはどのような事が基準となるのか?についてです。西洋医学とは違って、心と体をひとつのものとして考えることによって、病気は全身の働きやバランスが崩れてしまうことで症状が現れると考えます。
漢方ではバランスを維持する為に3つの働きが重要であると考えます。
「気」…生命エネルギー
「元気」の「気」で、根本的な生命エネルギーのようなものであると考えます。「気」の異常には大きく分けて3つあります。
気虚(気の量が不足している)→心身の活力低下
気滞(気の流れが停滞している)→抑うつ傾向や不安感
気逆(気の流れが逆流している)→のぼせや動悸
「血」…血液とはたらき
主に血液とその流れを指しています。血液が運ぶ酸素や栄養、ホルモンなどを含めて考えます。「血」の異常は大きく分けて2つあります。
血虚(血の量が不足した状態)→貧血や乾燥
於(お)血(血の巡りが悪くなった状態)→月経異常
「水」…体液とはたらき
色のついてない体液で、リンパ液や消化液、尿や汗などの分泌液も「水」と考えます。「水」の異常としては、1つにほぼ絞られています。
水滞(水毒)と呼ばれ、流れが悪くなり停滞した状態で、体の一部に余分な水が溜まった状態と考えます。→むくみ・頭痛・めまい
〇補中益気湯を使う目的とは?
エネルギーである「気」の量が不足した気虚の状態の時、主に用いられる漢方薬です。胃腸の働きを整え、「気」を補う薬として代表的であり、別名“医王湯”とも言われています。
滋養強壮作用・胃腸の働きを助ける作用・血行を良くする作用・水分代謝を良くする作用のある生薬でつくられています。
~気力がわかず、だるくて疲れが取れない人に~
全身倦怠感などを伴うさまざまな不調が対象となります。気力がわかない・疲れやすいという症状の他、胃腸虚弱や病後・産後の体力回復など幅広く使用されます。
□全身倦怠感 □胃腸虚弱 □食欲不振 □寝汗 □夏バテ など。
最近では、がん治療の副作用軽減・インフルエンザ予防としての使用などにも活用されるなど、補中益気湯の注目は高まっています。
特に働き盛り世代は、仕事や育児など疲労が蓄積しやすいのですが、疲労を回復させる時間や余裕がないことが多いのではないでしょうか?
そんな世代の使用例もご紹介します。
例1:30代後半 男性 会社員
症状:食欲不振・不眠・意欲減退
仕事が激務であり、残業などが続くと症状が出やすい状態となり、欠勤が目立つようになってきていました。
補中益気湯の服用開始から約2ケ月程度から食欲が出てくるようになり、倦怠感も軽減。気持ちも前向きとなり、軽い運動を開始できるようになりました。その後、会社へ復帰。
例2:20代後半 男性 会社員
症状:不安・うつ症状あり・頭痛
休日出勤をするなど多忙な日々が続き、食欲の低下などの症状がありました。補中益気湯の服用後、食欲低下は早い段階で軽減されましたが、倦怠感・意欲減退は続いていたため服用を継続。約3ケ月後から、倦怠感などの軽減が見られ、服用中止し会社へ復帰。
例3:30代前半 女性 会社員
症状:動悸・めまい・体重減少・緊張・頭痛
入社後、微熱が続いたりと体調不良があり倦怠感が消えず、動悸やめまいといった症状も出てくるようになっていました。内科を受診するが異常は見当たらない。補中益気湯の服用後、3ケ月頃に食欲が回復、半年後には運動を始められるまでに回復。服用は現在も継続中。
意外と、若い世代での使用例が多いのです。「若いから1晩寝なくても大丈夫!」は間違いです。若いからといって、疲労が蓄積しないわけありませんし、今後も長い人生が続いていくのです。今の生活スタイル・今の辛い症状は若いうちにこそ対処すべきです。
少しずつ蓄積し、倦怠感・疲労感として現れたものをすぐに治そうとするのではなく、少しずつ軽減させていくという気持ちも大切です。少しずつ改善していくこと、そうすることで自分の体を労わる時間も増え、無理なく生活できるのではないでしょうか?
これからも付き合っていく、ご自分の体を大切にしていきましょう。
今さら聞けない?補中益気湯(ほちゅうえっきとう)のこと。
最近になって、注目度の高まっている漢方薬。その中でも、補中益気湯に注目が高まっています。なぜ、この漢方薬に注目が集まるのか?使用目的や効果は?
今さら聞けない補中益気湯について、まとめてみました。
〇漢方医学での病気の捉え方
まず、漢方での病気とはどのような事が基準となるのか?についてです。西洋医学とは違って、心と体をひとつのものとして考えることによって、病気は全身の働きやバランスが崩れてしまうことで症状が現れると考えます。
漢方ではバランスを維持する為に3つの働きが重要であると考えます。
「気」…生命エネルギー
「元気」の「気」で、根本的な生命エネルギーのようなものであると考えます。「気」の異常には大きく分けて3つあります。
気虚(気の量が不足している)→心身の活力低下
気滞(気の流れが停滞している)→抑うつ傾向や不安感
気逆(気の流れが逆流している)→のぼせや動悸
「血」…血液とはたらき
主に血液とその流れを指しています。血液が運ぶ酸素や栄養、ホルモンなどを含めて考えます。「血」の異常は大きく分けて2つあります。
血虚(血の量が不足した状態)→貧血や乾燥
於(お)血(血の巡りが悪くなった状態)→月経異常
「水」…体液とはたらき
色のついてない体液で、リンパ液や消化液、尿や汗などの分泌液も「水」と考えます。「水」の異常としては、1つにほぼ絞られています。
水滞(水毒)と呼ばれ、流れが悪くなり停滞した状態で、体の一部に余分な水が溜まった状態と考えます。→むくみ・頭痛・めまい
〇補中益気湯を使う目的とは?
エネルギーである「気」の量が不足した気虚の状態の時、主に用いられる漢方薬です。胃腸の働きを整え、「気」を補う薬として代表的であり、別名“医王湯”とも言われています。
滋養強壮作用・胃腸の働きを助ける作用・血行を良くする作用・水分代謝を良くする作用のある生薬でつくられています。
~気力がわかず、だるくて疲れが取れない人に~
全身倦怠感などを伴うさまざまな不調が対象となります。気力がわかない・疲れやすいという症状の他、胃腸虚弱や病後・産後の体力回復など幅広く使用されます。
□全身倦怠感 □胃腸虚弱 □食欲不振 □寝汗 □夏バテ など。
最近では、がん治療の副作用軽減・インフルエンザ予防としての使用などにも活用されるなど、補中益気湯の注目は高まっています。
特に働き盛り世代は、仕事や育児など疲労が蓄積しやすいのですが、疲労を回復させる時間や余裕がないことが多いのではないでしょうか?
そんな世代の使用例もご紹介します。
例1:30代後半 男性 会社員
症状:食欲不振・不眠・意欲減退
仕事が激務であり、残業などが続くと症状が出やすい状態となり、欠勤が目立つようになってきていました。
補中益気湯の服用開始から約2ケ月程度から食欲が出てくるようになり、倦怠感も軽減。気持ちも前向きとなり、軽い運動を開始できるようになりました。その後、会社へ復帰。
例2:20代後半 男性 会社員
症状:不安・うつ症状あり・頭痛
休日出勤をするなど多忙な日々が続き、食欲の低下などの症状がありました。補中益気湯の服用後、食欲低下は早い段階で軽減されましたが、倦怠感・意欲減退は続いていたため服用を継続。約3ケ月後から、倦怠感などの軽減が見られ、服用中止し会社へ復帰。
例3:30代前半 女性 会社員
症状:動悸・めまい・体重減少・緊張・頭痛
入社後、微熱が続いたりと体調不良があり倦怠感が消えず、動悸やめまいといった症状も出てくるようになっていました。内科を受診するが異常は見当たらない。補中益気湯の服用後、3ケ月頃に食欲が回復、半年後には運動を始められるまでに回復。服用は現在も継続中。
意外と、若い世代での使用例が多いのです。「若いから1晩寝なくても大丈夫!」は間違いです。若いからといって、疲労が蓄積しないわけありませんし、今後も長い人生が続いていくのです。今の生活スタイル・今の辛い症状は若いうちにこそ対処すべきです。
少しずつ蓄積し、倦怠感・疲労感として現れたものをすぐに治そうとするのではなく、少しずつ軽減させていくという気持ちも大切です。少しずつ改善していくこと、そうすることで自分の体を労わる時間も増え、無理なく生活できるのではないでしょうか?
これからも付き合っていく、ご自分の体を大切にしていきましょう。